【応用編・症例をもとに考えてみよう!】心リハクイズ part2

ご好評にお応えし、本日も心リハクイズ続編です。問題作りも少し上達したような気がします(笑)

※私が個人的に勉強した文献、参考図書をもとに問題を作成しておりますので、可能な範囲で内容を吟味はしていますが、その正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

ではさっそく今日の問題に行ってみましょう!

第2問

身長170cm、体重98kgの58歳男性。既往は高血圧症、脂質異常症。2週間前に左前下行枝領域の急性心筋梗塞を発症し、同日冠動脈インターベンション施行し良好な再灌流を得た。クリティカルパスにて順調に離床は進み、本日主治医より自転車エルゴメーターを使用した訓練の許可あり。訓練前の安静時心拍数は82回/分である。

以下の内容のうち、誤っているものを1つ選べ。

1.この男性のBMIは33.9であり、2度肥満に分類される。

2.カルボーネン法にて運動強度0.3で目標心拍数を設定すると106回/分となる。

3.自転車エルゴメーターを使用した有酸素運動は、インスリン感受性の改善に効果が期待できる。

4.退院後は1日あたり8g以下の塩分摂取とするよう、食習慣を指導する。

5.二次予防として、禁忌がない場合アスピリンを永続的に投与する。

解答・解説

正解:4

1.BMIは体重kg/(身長m)×(身長m)ですから、98/2.89=33.9となります。

BMI30-35は2度肥満に分類されます。

2.カルボーネン法で計算すると〔(220-58)-82〕×0.3+82=106となります。

カルボーネン法の計算は、運動処方する際の基本中の基本ですね。どこかしらで登場する確率が非常に高いと思います。AMI後初めての自転車エルゴで、この問題文の感じだとまだCPXはしていない状態でしょう。ということを考慮し運動強度は0.2-0.3と低めから開始するのが妥当と思われます。

このように問題文の中に年齢とか安静時心拍数が出てきたら、「ああ、はいはい、カルボーネン法ね」と予測がつけられるようにしておきましょう。

なお、意外と計算間違いのケアレスミスが起こりやすい式ですので、暗算ではなく筆算をおすすめします(笑)

3.その通りです。

4. 二次予防の場合、塩分摂取量は1日6g以下が推奨されています。ちなみに昨年の講習会ではAMIの一次予防では1日あたり男性8g女性7gと栄養士さんからお話がありました。

このように、一次予防と二次予防で基準や目標値が変わっているところもよく狙われやすいポイントですから、比較して覚えるようにしておきましょう。

5.抗血小板薬として心筋梗塞後の患者に対し投与されます。

臨床上ではバイアスピリンといった商品名で話すことが多いかもしれませんが、試験では必ず一般名で出てきますので、どの薬剤も一般名で覚えるようにしましょう。

まとめ

こういう感じの文章題、けっこう多いんですよ。こんなの本番で1分くらいで解けると思います?

私は心が狭いので、本番でこういう時間がかかりそうな問題を見てイライライライラしていました(笑)

最近の出題ではこのように、架空の症例を提示することで、一つの問題にいろいろな要素が含まれてくることが多いです。

パッと見で解きにくそうですよね。

この一問の中に入っている内容だけでもBMIの計算やカルボーネン法による運動処方、有酸素運動の効果、AMI後の栄養指導・薬物療法と、かなり盛り沢山です。

5つの選択肢の中で「誤っているものを選べ」ですから、正解がわかっていれば他の計算問題に余計な時間をとられず次に進むことができますが、必ずしもそううまく行くとは限りません。

ぱっと読んで正解がわからなければ、こういう計算が入った時間がかかりそうな問題はとりあえず後回しにして、一通り他の問題を解いた後で取り組むのがいいと思います。

いかがでしたか?

問題の中でいまいち自信を持って判断できなかった選択肢があれば、そこを復習していくことが弱点を補う一番の近道です。

今日の問題を活用して、さらに試験勉強がんばっていきましょう!

スポンサーリンク
M