本日はpart15、2問ご用意しました。さっそく行きましょう!
※私が個人的に勉強した文献、参考図書をもとに問題を作成しておりますので、可能な範囲で内容を吟味はしていますが、その正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。
第27問
下記のデータからメタボリックシンドロームと判断できる症例を2つ選べ。
1.男性、腹囲87cm、血圧112/80mmHg、HDLコレステロール46mg/dl
2.女性、腹囲86cm、空腹時血糖値112mg/dl、HDLコレステロール48mg/dl
3.男性、腹囲82cm、空腹時血糖値114mg/dl、血圧140/96mmHg
4.女性、腹囲92cm、血圧138/90mmHg、HDLコレステロール32mg/dl
5.男性、腹囲96cm、空腹時血糖値120mg/dl、トリグリセリド152mg/dl
解答・解説
正解 4.5.
日本では、腹囲が男性85cm女性90cmを超え、かつ高血圧・高血糖・脂質代謝異常の3つのうち2つに当てはまった場合にメタボリックシンドロームと診断されます。
つまりこの問題では、腹囲が基準値以内である2.3.はまず除外されます。
それ以外の3つの選択肢で、選択項目である血圧・血糖値・脂質のデータを見てみると、
1.血圧112/80mmHg、HDLコレステロール38mg/dl
4.血圧138/90mmHg、HDLコレステロール32mg/dl
5.空腹時血糖値120mg/dl、トリグリセリド152mg/dl
赤い字が異常値となります。選択項目3つのうち2つ以上に当てはまった場合にメタボリックシンドローム と診断されますので、正解は4.5.となります。
3.の人は血糖値も血圧も異常値ですが、腹囲が基準値以内なのでセーフ。
こういう人、けっこういそう。今のうちに生活習慣を変えたほうがよさそうです(笑)
メタボリックシンドローム についてはこちらに詳しくまとまっていますので復習しておきましょう。
第28問
急性心筋梗塞発症後の症例の血液データにおいて、各酵素のうち血液濃度の上昇開始時期がもっとも早いものを1つ選べ。
1.ミオグロビン
2.CK-MB
3.AST
4.LDH
5.トロポニンT
解答・解説
正解:1.
この選択肢の中で上昇開始が早い順に並び替えると
ミオグロビン→トロポニンT→CK-MB→AST→LDHとなります。
ミオグロビンは早く上昇し早く下がるので早期診断に適してはいますが、骨格筋に多く含まれているため心筋特異性が高いわけではありません。横紋筋融解症とかでもバーンと上がりますので。
逆にCK-MBやトロポニン T 値は心筋特異性が高いため診断をつけるうえで有用とされています。
4.のLDHは発症から2−3日がピークですので、発症からの時期を推測するうえでよく用いられます。
まとめ
第27問はメタボリックシンドローム に関する問題でした。
自分で作っておいてなんですが、微妙に時間がかかるいやらしい問題ですね(笑)。
といっても基準値がしっかり頭に入っていれば解ける問題です。
メタボリックシンドローム はなんらかの形で出題されると思いますので、ど忘れしないように改めて復習しておきましょう。
第28問はAMI後の血液データに関する問題でした。
逸脱酵素については今回出題したように上昇する時間的な早さも重要ですが、それ以外にも持続時間や心筋特異性についてもそれぞれの逸脱酵素で特徴が違います。それぞれおさえておきましょう。
血液データに限らず、画像や心エコーは実際のデータにあたって自分で考えるのがいちばんよい勉強になります。急性期病院に勤めている方はぜひ自分の患者さんのデータを注意深く確認してみましょう。
ということで、part15はこれで終了です。また次回お会いしましょう!