【こんな波形出てたらどうしますか?】心リハクイズ part9

今日は心電図をからめた症例の問題です。心リハクイズpart9です!

※私が個人的に勉強した文献、参考図書をもとに問題を作成しておりますので、可能な範囲で内容を吟味はしていますが、その正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。

第14問

心不全で入院中の80歳男性。既往は高血圧症、前立腺癌(摘出術後)。モニター心電図にて上記の波形がみられたため、訪室すると患者は意識消失の状態であった。対応として正しいものを2つ選べ。

1.薬剤投与が考慮されるため、輸液路の確保が必要となる。

2.無脈性電気活動(PEA)であり、除細動は禁忌である。

3.胸骨圧迫では胸骨の上半分を目安に、両手を重ねて圧迫する。

4.直ちに医師・およびスタッフの助けを求め、除細動および心肺蘇生を行う。

5.誤嚥による意識消失の可能性を考慮し、患者を側臥位にして状態を観察する。

解答・解説

正解:1.4.
1.その通り。アドレナリンなどの血管収縮薬や、アミオダロンなどの抗不整脈薬が検討される。
2.PEAは心電図上は波形が出ているが(VT・VF以外の波形で)、有効な心拍動がなく脈拍を触知できない状態のこと。本症例の心電図は基線の不規則な揺れやP波、QRS波が判断できないことから明らかにVF(心室細動)である。よって誤り。
3.胸骨の下半分を目安に圧迫する。よって誤り。
4.その通り。
5.心電図所見と意識レベルから考えると、何よりも救命処置が優先。よって誤り。

まとめ

第14問は急変時対応に関する出題でした。

以前にもこのような架空の症例の問題を作りましたが、今回はより実践的な内容にしてみました。

心室細動は致死性不整脈の代表選手ですね。心室が不規則に痙攣し、血液の拍出ができていない状態です。命に関わる危険な不整脈は、医療に携わる職種であれば理解しておかなければいけません。

実際の臨床場面では、セラピストが急変を発見したら助けを呼んで、医師や看護師に引き継ぐことがほとんどですが、その後にどのような医療的処置をしていくのか、という点も心リハ指導士としてはしっかり頭に入れておきたいところです。

循環器病棟にいた頃は、「◯◯さん波形変だよ!」と言われ病室まで猛ダッシュしたら患者さんが「(電極が貼り付けてある位置が)痒くて痒くて、思いっきりかいちゃった〜」なんてこともありました。かきむしったり歯磨いてたりするとVFみたいな波形になるんですよね。急性期病院あるあるです(笑)。

試験問題としては、波形を見てこれはなんの不整脈か?と単純に問う問題が出る確率は低いと思います(みんな正解してしまい差が出にくいので)。

今回の問題のように、致死性不整脈を発見した後の対応や心肺蘇生の方法なども含めた実際の臨床場面に近い問題が出るのでは、と予想しております。

専門的知識だけでなく、知識と臨床的な思考の両方が問われるという問題が多い傾向にありますので、そうした出題者の意図を想定した上で勉強を進めていきましょう。

part8はこれで終了です。

こちらは過去の心リハクイズのエントリーです。良問が揃っていますので(笑)、

是非参考にしてみてください!

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