心リハ指導士の試験勉強としては、試験の3か月くらい前から本腰を入れてやり始める、という方が多いようです。私も試験直前の2−3か月間はめちゃめちゃ勉強していたんですが、当時感じていたのは心リハ学会のホームページ以外に、試験についての情報が非常に乏しいということです。
試験問題はすべて回収されるので基本的に過去問は出回ってませんし、以前に受けた先輩からいろいろ聞いても記憶が曖昧だし・・・ということでいろいろ検索してみるんですが、あまり有効な情報は得られず・・・という記憶があります。
当ブログでも心リハについてはたびたび取り上げているんですが、これまでの試験のデータをもとに、どんな対策が有効なのか私なりに考えてまとめてみました。
時間との戦い
心リハ指導士の試験ですが・・・例年と変更がなければ問題数は50問あります。これを60分で解きます。もう一度言います、1時間に50問です。単純に割り算すると・・・1.2分に1問解かなければいけないということです。
問題文読むだけでも、よっぽど集中してないと20−30秒かかりますからね。さらに計算問題だったりするとさらに時間を食っていきます・・・あっ、鉛筆の芯が折れちゃった、またタイムロス・・・みたいな(笑)
単純比較はできませんが、PTの国家試験で計算しても1.6分に1問ペースです。
(第52回の国試 200問を5時間20分で解くと計算した場合)
時間的になかなか追い込まれることが予想できると思います。
さらに、マルチプルチョイス(問題によって正解が1つまたは2つ)ですから、さらに考える時間がかかるんですよね。「ワーファリンを内服している患者が摂取を控えるべき食品はどれか。2つ選べ。」みたいな感じです。
当然ですがワーファリンは納豆がだめ!とだけ暗記していても正解できません。
このように、試験時間や試験方式を意識した上で対策をとっていく必要があります。
まずは安全圏の点数をとること。
2017年の心リハ指導士試験のデータはを元に少し考えてみましょう。
受験者831名に対し、合格者555名。合格率は66.8%とのことです。ちなみにPTだけだと合格率63.5%です。医師は合格率98%なので、その分全体の合格率は上がってるんですね。合格率6割ってなかなか狭き門ですよね。
得点分布は平均点61.7±11.2点(mean±SD)(分布30点~92点)。58点以上が合格ということです。
ここからは完全に私の推測ですが、58点以上が合格ということは、50問あって1問2点と考えると・・・29問以上正答すると合格ラインを超えることになります。
ですから50問中、30問以上正解できればまあ安全圏と言える可能性が高いと。
逆に言うと・・・「50問中20問は間違えられる、または解かなくてもいい」とも言えます。どんな試験でもそうなんですが目的は試験を突破する、合格することです。
じっくり考えればわかるけどちょっと時間がかかりそうだな、という問題をいかに「捨てる」かということもポイントになってきます。取捨選択です。
まず頭の中にたたき込むべき内容は?
そういう目線で試験勉強を進めるとすると、ちょっと考えないといけない問題はとりあえず置いておくべきです。
いちばん重要なのは「解釈の余地がないはっきりとした基準」を頭にたたき込んでいくこと。
例えばメタボリックシンドロームの診断基準、運動負荷試験の適応・禁忌、などなど。こうした暗記系の項目をまず万全にすることです。
そういう意味で、ガイドラインを中心に暗記を進めるのはいちばん手っ取り早いと言えます。私はガイドラインを片っ端から印刷して毎日持ち歩いてました。
すっごい久しぶりに暗記ペン、買いましたよ。線引きすぎてガイドラインが緑一色になりました(笑)
そこをおさえた上で、計算が必要な問題、画像所見からどんな対応を判断するか、といった応用的な問題の対策に進んでいくとよいでしょう。
といっても、CPX関係の問題は、飛ばさずに意地でも解いてください(笑)
9パネルで病態の理解ができない状態で心リハ指導士を名乗っちゃだめでしょう、と思いますので。そこはプライドをかけて勉強しましょう!
最後に、時間内に解くトレーニングについて。
過去問が基本的に出回っていませんので60分で50問解く!という予行演習は基本的にできません。
下記のURLは国家試験対策のサイトですが、
循環器疾患に関わる問題がたくさん載っていますので、(難易度はともかく)時間を自分で決めた上で解いていく練習にはなると思います。一度お試しください。
心リハについては、過去の記事でも取り上げていますので、初めての方はご一読を!
勉強法を工夫して学習効果を少しでも高めていきましょう。