昨年からオンラインで実施している「心リハ家庭教師」ですが、演習形式だけでなく、受講者の方のリクエストに応じてわかりにくい所を解説する、ということもよくやっています。
ちなみに先週の講座では、受講者の方から「弁膜症についてなんだか具体的なイメージがわかないので、基本的なところを教えて欲しい」という依頼があり、Zoomで画面を共有しながら(自分のPC画面を受講者と共有できるのでとても便利です)いろいろとお話しさせていただきました。
急性期の病院で働いていると、弁膜症がベースにある心不全の患者さんにリハビリをする機会は多いので、事前に何をチェックすべきか、運動時に必要なリスク管理は何か・・・というところはポンポンと出てきます。
でも、回復期・生活期の場合、そもそも心エコーなどの検査所見がデータとしてないことも普通ですし、ある程度症状が安定している方が多いので、弁膜症について深く学ぶきっかけがあまりないのかもしれません。
ということで、同じように「弁膜症ってなんだかよくわかんない・イメージがわかない」というリハ職種の方に、完全無料で(大事です笑)勉強できるおすすめサイトを紹介します!
まず一つ目は国立循環器病センターの「弁膜症とのつきあい方」というページ。
代表的な弁膜症の症状・原因と、その治療法について、重要なポイントがまとめられています。また、一般の方でも理解しやすいように会話調の文章になっているのでとってもわかりやすいです。分量もそこそこなので、まずはこのサイトに書いてある内容をしっかり理解しましょう!
そしてもう一つのおすすめは下記サイトです。
最近テレビで草刈正雄さんの弁膜症啓発CMをよくやっているので、見たことがある、という方も多いかもしれません。
このサイトも弁膜症について一般の人に知ってもらおう、という趣旨のサイトなので、説明がとてもわかりやすいんですよね。特にこのサイトでは、薬物療法、内科的治療(TAVIなど)、手術療法というそれぞれの治療法についての説明が詳しくまとまっています。動画資料が多いのも今どきですね。
ふだんの臨床であまり心リハに関わっていないという方は、まずはこういうサイトで基礎を復習して、それから専門書や論文・ガイドラインを学ぶという流れがスムーズかと思いますので、ぜひご参考に。
前置きが長くなりましたが、今日は問題も作りました!
もちろん弁膜症についての問題です。さっそくいきましょう。
今日の問題)
弁膜症について誤っているものを2つ選べ。
1.症候性の高度大動脈弁狭窄症は、運動負荷試験の相対禁忌である。
2.大動脈弁は三尖弁である。
3.TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)術後は心大血管リハビリテーション料の算定対象である。
4.弁膜症の原因として、加齢による弁の変性や石灰化よりも、リウマチ熱の後遺症によるものが増加している。
5.機械弁を用いて大動脈弁置換術を行なった場合、術後は生涯にわたり抗凝固薬の服用が必要である。
正解はこちら⬇︎⬇︎
正解
1.4.
1.症候性の高度大動脈弁狭窄症は、運動負荷試験の「絶対」禁忌ですね。ちなみに「中等度の狭窄性弁膜症」が相対禁忌にになりますので、混同しないように気を付けましょう。
2.大動脈弁は三尖弁である。・・・・そのとおり。
3.TAVI(経カテーテル大動脈弁植え込み術)術後は心大血管リハビリテーション料の算定対象である。・・・そのとおり。2018年から適用開始となっています。
4.これは逆ですね。抗生物質の普及により、リウマチ熱の後遺症によるものは減ってきており、逆に加齢による弁の変性や石灰化による弁膜症が増加傾向とされています。
5.機械弁を用いて大動脈弁置換術を行なった場合、術後は生涯にわたり抗凝固薬の服用が必要である。・・・そのとおり。生体弁の場合は治療後3か月程度とされています。
問題作成にあたり参考にしたサイトを下部にまとめておきましたので、ご参考ください。
また、ブログだけでなく個別でお話ししながら「心リハについてじっくり学びたい」「心リハ指導士の取得を目指して勉強したい」という方はこちらの「心リハ家庭教師」もご検討ください。
ということで、ブログ更新頻度ももう少し上げていく予定ですので、皆さんたまーに覗きにきてくださいね笑。またよろしくお願いします!
参考HP: