本日はpart17です。さっそく行きましょう!
※私が個人的に勉強した文献、参考図書をもとに問題を作成しておりますので、可能な範囲で内容を吟味はしていますが、その正確性を保証するものではありませんのでご了承ください。
第31問
大動脈解離の病型分類について、誤っているものを2つ選べ。
1.DeBakey分類Ⅰ型は、内膜の亀裂が上行大動脈から始まり、ここから腹部大動脈まで広範囲に解離がおよぶものを指す。
2.一般的にStanfordA型の解離は緊急手術、合併症のないB型解離は内科的治療が選択されることが多い。
3.DeBakey分類Ⅲb型は内膜の亀裂が弓部大動脈遠位部から始まり、解離が下行大動脈に限局するものを指す。
4.DeBakey分類Ⅱ型は、内膜の亀裂が上行大動脈から始まり、上行大動脈に解離が限られているものを指す。
5.Stanford分類は下行大動脈の解離の有無によってA型・B型に分けたものである。
解答・解説
正解 3.5.
1.その通り。
2.その通り。個別の症例でいろいろな対応が考えられますので、もちろん「一般的に」ということです。
3.DeBakey分類Ⅲa型は内膜亀裂が弓部大動脈遠位部から始まり、解離が下行大動脈に限局するもので、Ⅲb型は内膜亀裂が弓部大動脈遠位部に始まり解離が下行大動脈から腹部大動脈に及ぶものです。よって誤り。
4.その通り。
5.「上行大動脈」の解離の有無によって分けたものですね。よって誤り。
第32問
薬剤と考えられる副作用の組み合わせとして、誤っているものを1つ選べ。
1.ジルチアゼム-徐脈
2.カルペリチド-血圧低下
3.ジソピラミド-高血糖
4.アトルバスタチン-横紋筋融解症
5.アミオダロン塩酸塩-間質性肺炎
解答・解説
正解:3.
1.ジルチアゼム(ヘルベッサー)は冠攣縮性狭心症や高血圧症の治療に用いられるCa拮抗薬ですね。徐脈や、血圧低下によるめまいなどに注意が必要です。
2.カルペリチドは臨床ではハンプと呼ばれることが多いですね。利尿薬と血管拡張薬を合わせたような作用があるため、急性心不全の治療薬としてよく用いられます。副作用として血圧低下と徐脈があることはおさえておきましょう。
3.ジソピラミド(リスモダン)は膵β細胞にあるチャネルを阻害することで、インスリン分泌を亢進させる作用があります。つまり気をつけなければいけないのは低血糖ですね。よって誤り。
4.アトルバスタチン(リピトール)はコレステロールを下げるためによく使われる薬ですね。横紋筋融解症が代表的な副作用としてあることは覚えておきましょう。
5.アミオダロンは心室性不整脈や心房細動の抑制に用いられることが多い薬です。IPだけでなく甲状腺機能障害や肝機能障害など多様な副作用が出現する可能性が指摘されています。
まとめ
第31問は大動脈解離の病型分類に関する問題でした。Stanford分類はよく使用すると思いますが、DeBakey分類も理解しておく必要があります。
こちらのほうが分類が細かいので、ややまぎらわしいですが混同せず覚えておくようにしましょう。本番ではこのように単純な聞き方ではなく、造影CTなどの画像所見と絡めて問われる可能性が高いと思います。造影CTの所見についても基本的な内容は理解できるようにしておきましょう。
第32問は薬剤の副作用に関する問題でした。副作用については以前にも下記の問題で取り上げています。
しかし、心不全や不整脈の治療に使用される薬剤はたくさんあるので、1問だけでは足りないな…と思い今回もう一度取り上げてみました。
お疲れ様でした。part17はこれで終了です。また次回お会いしましょう!